PRESENTER
許家芃
美食の旅コラムニスト
昔は美食の旅で経験豊富な記者が、今ではフリーのフォトライターに
母がプロの料理人だった関係で、小さい頃からレストランの廚房の様子を目に、耳にして感じ取ってきました。食材をどう調理したらおいしい料理になるのかにも、好奇心でいっぱいでした。食べるのが好きですが、母の影響で料理を作るのも得意です。そして最近では、食品ブランド「絶代双脚(天下一品の豚足二本)」を自ら設立しました。
大学卒業後は、20年近くグルメ記者の仕事に打ち込んできました。数多くの名料理人とも知り合い、作り方を教わった裏メニューもかなりの数にのぼります。料理を作るほかには、グルメが探求できる撮影と旅も好みます。
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Q & A
Q:あなたの1日はどういうふうに始まりますか?
A:朝起きたら酵素ドリンクを1杯飲みます。仕事の関係で昼食と夕食はたくさん食べがちになるので、朝食はあまり食べません。だから体のpH値調整でも、(私はお肉が大好きなんです)飲食の制御で言うなら1日2食にしています。これがしっかり守れないと、仕事には大きな害となりますからね。(笑)
Q:普段一番良く顔を出す場所は?
A:東門の近くにあるカフェ「莉園商行」ですね。環境が静かで、素敵な音響設備があり、そこでドリップコーヒーを飲むんです。ノートPCを持ち込んで原稿を書く時もあります。あそこのハンドドリップコーヒーは特別な味わいです。お店の方にどんな口当たりのコーヒーが好きかを話しておけば、コーヒー豆を焙煎する度合いと味に応じて調整し、ハンドドリップで淹れてくれるんです。私自身が好きな味わいはただ一つ―柑橘系ですね。
Q:一番よく行くレストランは?
A:
1. まず、伊宛麺です。ここは友人と一緒に協力して開いた店だと言えるでしょう。普段は仕事以外にも、個人的に友人との会食でも来ます。『絶代双脚麺』はみんなが注文するメニューで、おススメですね。私自身豚足が大好きで、好きが高じて開発してしまったメニューです。豚足は食材にはメスのイベリコ豚を使い、これなら豚肉の臭みがないんです。お客様にはここに来て、「双脚麺をしっかり食べて、おいしさも楽しもう」というふうになってもらえばと考えています。
Facebookページ:www.facebook.com/YIWANMIAN2018/
2. 次に、ステーキハウス「綻1852」です。ここのおススメは、米国牛のニューヨーク・ストリップ・ステーキです。この店独自の熟成調理法で、外はぱりぱりで中は柔らかく仕上がっています。ニューヨーク・ストリップ・ステーキは、弾力性があるけど、油の潤いを感じない―私が抱いていたそんな印象を覆した味でした。前菜、おかず、そしてデザートのどれも驚愕のおいしさです。ここのシェフはみんなが記憶に留めている『台湾的』な要素を活かして、今までなかったような台湾風の献立を編み出しました。今現在、シェフが自店の献立を台湾風にアレンジしながらも、まったく違和感がないステーキハウスは、ほぼこの店だけです。
Facebookページ:www.facebook.com/Zhan1852/
Q:仕事が終わってから、息抜きには何を?
A:ドラマをかかさず見ること、そしてCandy crashやスーパーマリオのようなコンピューターゲームで遊ぶことですね。遊び始めると寛げるし、何にも考えなくてよくなります。ドラマなら中国本土で制作された歴史ドラマ、宮廷での愛憎を描いた時代劇なんかが好きです。シーンでの撮影技法や服装の細部などに目が行きますね。王朝ごとの服装の特徴、そしてそれと実際の史実との違いなどに好奇心を持って、ネットで検索します。
Q:最近読んだ本は?読み終わって得たものや感想は?
A:人生恐れるに足らず!台湾初の女性フランス料理シェフ、黎俞君です。
外食業界では女性は廚房で差別を受けがちです。ですからその業界に身を置くのは辛いことです。
黎師匠はそこで果敢に自らの人生を歩み、更には言葉が通じない異国に自分一人で赴き、料理を学んだのです。自分を窮地に追い込む時も多く、数多くのことで自分を成長させざるを得なかったのです。黎師匠は30歳の時に、イタリア料理店「PapaMio」を開業しました。この店は、台中では最高級の知名度を誇るイタリア料理店でした。そして37 歳でフランス料理店「塩之華」を開業しました。彼女は人生の中で学ぶ心、そして好奇心を絶やすことはありませんでした。料理へのこだわりは、使うお皿や食器にまで及びました。黎師匠はごく普通の環境で育ちましたが、その勇敢さ、識見、そして努力により、人には真似のできない人生を切り開いたのです。彼女の歩んだ人生は人を励ます力となることでしょう。彼女の本は読むだけの価値がある一冊だと、私は思います。
Q:おいしい料理が食卓に出てきたら、最初にすることは?
A:まず写真を撮り、それから盛り付けを見て、そして香りを楽しみます。
Q:料理やお菓子は味の良し悪しへの評価がとても主観的になるものです。あなたが客観的に評価する方法とは?
A:客観的な視点で評価するのは本当に難しいです。人によって味への感覚は違いますから。仕事の関係上、食事をする種類と店舗は比較的多いので、私は平均値というものを使って判断します。例を挙げれば、タピオカミルクティーです。10の異なる飲食店で出すタピオカミルクティーを飲んだとしましょう。つぶつぶのタピオカの口当たりでは、紅茶と牛乳の比率では、基準となるゾーンはどこか・・そういうのはたいてい経験を頼りに判断できます。料理には、私がお目にかかったことさえないものもあるのですが、そんな場合でも味の良し悪しを一刀両断に論じることはできません。自分が感じたことを言葉にするしかないのです。おいしい料理を評価するなら、いろいろな味に数多くトライしなければなりません。食材を体験して、脳内にデータベースを構築するのです。どんな業界でもそういうものでしょう。時間と経験の積み重ねが必要ですから。
Q:台湾で一番興味が惹かれた場所、或いはあなたが魅力的だと感じた場所は?
A:花蓮の太魯閣です。もとはと言えば中国旅行がとても好きだったんです。山、川、湖のような自然景観がたくさん見られますから。ですが後になって、太魯閣にもそうした景観があり、中国にも全く劣らないものだと知りました。
太魯閣国家公園 https://www.taroko.gov.tw/
Q:ホテルに宿泊する時に、あなたが一番期待するのは?
A:スターレートに入っている高級ホテルには数多く泊まっていますが、客室の間取りは大体似通っています。ドアを開けて客室に入ると右側にトイレがあり、小さな廊下を通り過ぎるとベッドです。こうした間取りは昔からあるもので、私にはあまり奇抜な目新しさを感じません。ですから、間取りが従来とは違う客室があったら、お目にかかるのを待ち望んでいます。あと私は、コンセントの利便性と設計での細部も見てみることでしょう。
Q:台北ホテルグループ加盟ホテルに抱いた印象は?
A:最初に目に入り印象的だったのは、建物全体が純白の外観だということでした。それに、白は私が好きな色でもありますからね。人々が行き交うホテルにあって、白は手入れが大変ですから、好奇心も感じますね! 喜瑞ホテルでは浴室が広くて明るいので、背が高い私でも、ここの浴槽なら足も伸ばせるスペースがあります。ベッドは見た感じ普通ですが、それでも寝てみると心地よく眠れました。朝食はバラエティー豊かでした。私はセットメニューのスタイルで出されるのだと思っていましたが、ホテル側ではビュッフェ形式での提供でした。規模からみてとても良心的だと感じました。
11年前に新聞社の同僚がここに泊まったことがあります。そして私にその体験を語り、ぜひ泊まってみたらと勧めてくれました。その時から喜瑞ホテルは特に印象に残っていました。ずっと泊まってみたかったのですが、まさか今になってようやく実現するとは予想外でしたね(爆笑) 。